相続税って何?どうして納めないといけないの?
「相続税」とはどんなイメージを持っている方が多いのでしょうか?相続という言葉から、遺産などを受け取った際に払わなければいけない税金という印象が強いかと思います。
しかし、なぜ相続税を払わなければならないのでしょうか?「もともと自分の家の財産なので相続税を払う意味はあるのか?」「なぜ払わなければならないのか」という疑問を持つ方が多いです。
今回は相続税は何故納めなければいけないのか、ということについて説明していきます。
Contents
相続税とは何?
相続税という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。しかし、どのような税金かと聞かれた際に、具体的な説明をできる方は少ないです。
一体相続税とはどのような税金なのでしょうか?
相続税は亡くなった方から貰う財産にかかる税金
相続税をわかりやすく説明すると、亡くなった方から譲り受けた財産にかかる税金です。誰かが亡くなった場合に、その財産は身内や近しい人が貰い受けることになります。
そのことを相続といい、相続が起きた場合にかかる税金が相続税となります。
相続税はお金を再分配してくれる
相続税の仕組みは、相続が起こった際に一度お金を徴収し、再分配するという制度です。
富の再分配するために税金を納めなければなりません。それは相続においても全く同じ考えです。相続税として徴収しなければ、お金持ちの家はその後代々お金持ちのままで、なんの努力もせずに暮らしていくことができます。
お金持ちの家に生まれたというだけで、一生遊んで暮らせるというのは不公平ではありませんか?そういったことを避けるためにも相続税というものがあります。
多くの財産を持っている人からはたくさんお金を徴収し、そうでない人に分配する、そういった制度が相続税ということになります。
相続税があると相続で損をしてしまう
相続制という制度のおかげで損をしてしまう人もいます。例えば、不動産などの財産を持っていて現金をあまり持っていない人です。
なぜこのような人が損をしてしまうかというと、相続税は現金で納めなければならないからです。不動産などの財産をたくさん持っていても、現金がなければ相続税を納めることができません。
そういった場合は、相続した不動産を売ってお金に変え、相続税を納めなければならないという事態に陥ってしまいます。
相続財産の中には家や土地や田んぼ、畑、山などたくさんあります。多くの不動産を相続することは良いと思われがちですが、現金が相続出来なかった場合は損をしてしまう可能性もあるということを知っておいたほうが良いです。
こういった相続税の支払いの問題は、事前に対策することにより回避できる可能性が高いです。相続について不安な方は税理士などの専門家に相談してみましょう。
相続税が0円の人もいるの?
相続が発生した場合、必ずしも相続人全員が相続税を納めなければならないのでしょうか?
実は相続税には基礎控除というものが設けられています。また、その他にも相続税が控除される特例もたくさんあります。
ここでは、相続税の基礎控除や特例について説明していきます。
相続税の基礎控除というものがある
相続税は必ずしも全員が払わなければいけないのか?という疑問が出てきますがそれだけではありません。
相続税には基礎控除というものがあります。この基礎控除の計算式は「3,000万円+法定相続人の数×600万円」となります。
相続人が配偶者1人だけの場合は、この計算式に当てはめて計算すると「3,000万円+人×600万円=3,600万円」となります。つまり亡くなった方の遺産が3,600万円以下であれば、相続税は0円ということになり、相続税の申告すらも不要です。
相続税には非課税枠もある
相続税を減らすために非課税枠というものが設けられています。
例えば生前贈与の際は年間110万円までなら税対象とならず、贈与税も課税されることはありません。また孫の教育費などは最大1,500万円まで非課税枠となり、こちらも贈与税が課税されることはありません。
結婚資金や出産資金においても最大1,000万円までは非課税枠となります。このような非課税枠の制度をうまく使えば相続税の対策をすることができ、相続税の額を少なくする、もしくは0円にすることも可能です。
配偶者の軽減税率というものもある
相続税には「配偶者の軽減税率」というものがあります。この制度を使えば、亡くなった方の配偶者は、相続財産が1億6千万円まで非課税となります。
そのため亡くなった方の配偶者は、相続税を払わなくて良い場合が多いです。
しかし、この制度を利用するにあたり注意しなければならない点は、制度を使い相続税が0円になるとしても、相続税の申告はしなければならないということです。相続税の申告をしなければいけをされませんので注意が必要です。
相続税を納める際の注意点
相続税を納める場合どのような注意点があるのでしょうか?
ここではその注意点を説明していきます。
相続税は10ヶ月以内に納めよう
相続税は相続があったことを知った日から10ヶ月以内に申告し納めなければなりません。10ヶ月と聞くと長い期間と思われがちですが、遺産を整理したり相続税の計算をしたり、税理士に依頼したりしているとすぐに過ぎてしまいます。
10ヶ月以内に納付しなければ罰則もあるので、相続税の申告は早めに準備しましょう。
相続税が0円でも申告が必要な場合がある
上記のような「配偶者の軽減税率」などの特例を受ける場合は、相続税が0円でも申告が必要な場合があります。
その他にも、「小規模宅地の特例」や 「寄付金の控除の場合」なども相続税の申告が必要です。
どういった場合に、相続税が0円でも相続税の申告が必要なのかということは下記の記事で詳しく説明しています。気になる方は是非一度ご覧ください。
相続税の相談は税理士へ
「どうして相続税を払わなければいけないのか?」という疑問を持つ方は多いです。しかし、富を再分配し公平な生活を送るためにも、その他の税金と同じく相続税というものは必要不可欠になります。
いくら富を再分配する制度といっても、できれば相続税は納めたくないですよね?
相続について気になる方や、相続税の対策について相談したい、という方もたくさんいます。そういった方は相続に強い税理士へ相談することをお勧めします。
世の中には、亡くなった方の遺産を相続してもその続税を払わなくてもよい方はたくさんいます。相続税には基礎控除やその他の特例があるからです。
そういった制度を知っておくだけでも相続税において損はしない可能性が高まるので、気になる方は是非一度税理士へご相談ください。
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