相続放棄するのはどんなとき?詳しく解説します!
亡くなった方に借金があり、その借金を相続することは誰でも嫌ですよね?そういった時はどうすれば良いのでしょうか?
考えられるのは相続放棄です。相続放棄をする際には注意点がいくつかあります。
今回は相続放棄について、またその注意点を解説していきます。
Contents
相続放棄って何?
相続放棄とはその名の通り、相続することのできる財産の権利を放棄してしまうことです。相続権を放棄すれば、亡くなった方に借金があった場合も相続することはありません。
相続放棄をした場合は借金などのマイナスの財産だけでなく、貯金や不動産などのプラスの財産も放棄することとなるので注意が必要です。
相続放棄したほうが良い場合はどんなとき?
亡くなった方に借金がありその借金をすると返済していかなければなりません。できれば相続したくないですよね?
その他にも相続放棄した方が良い場合はどんな時があるのでしょうか?ここでは、放棄したほうが良い場合、放棄しなくても良い場合を見ていきます。
相続放棄した方が良い場合
相続放棄した方が良い場合はどういったときでしょうか?明らかに借金などのマイナスの財産が多い場合は放棄した方が良いです。その他にも、相続問題に巻き込まれたくない場合や、特定の人に相続させたい場合も放棄をするケースは多いです。
相続の問題は複雑でときにトラブルに発展することもあります。そういったトラブルを回避するために放棄するという方は意外と多いのです。
また、長男にだけ遺産を相続されたい場合などは、長男以外の人が放棄する場合もあります。他の人の相続割合が増える場合もあるので、借金だけでなく、その他の色んなケースで放棄をするといったこともあります。
相続放棄しなくても良い場合
「亡くなった方に借金もあるけど貯金もある、どちらが多いのかわからない」そういった場合は相続を放棄するのでなく限定承認をするという方法もあります。
限定承認はプラスの財産を超えない限度において、マイナスの財産を相続することができます。亡くなった方の貯金は1,000万円あるが、借金が500万円から1,500万円の範囲としかわからない場合は相続放棄をしなくてもよいことがあります。
こういった場合は、限定承認という方法を視野に入れて考えると良いでしょう。
相続放棄をする場合に気をつけておきたいこと
相続放棄をする場合に気をつけておきたいことはいくつかあります。ここでは放棄をする場合に気をつけておきたいことを紹介していきます。
3ヶ月以内に相続放棄をしなければならない
相続の放棄をする場合は相続があったことを知った日から3か月以内にしなければなりません。こういった期間が決まっているということを知っておくことが重要です。
3ヶ月を過ぎると相続を認めたことになります。つまり、借金があっても全て相続しなければならないということです。
3ヶ月と聞くと長いと思われがちですが、亡くなった方の遺産の状況を調べていくと3ヶ月という期間はあっという間に過ぎます。また、相続人が知らない間に亡くなった方が借金を作っていて、遺産の状況を調べているうちに発覚するということも考えられます。
一度相続放棄をすると撤回できない
基本的に一度放棄をすると撤回することはできません。しかし、他の人に強迫されたり、騙されたりした場合は撤回できる可能性はあります。
相続放棄をすれば基本的には撤回できないということを覚えておき、するかどうかは、亡くなった方の遺産を整理した上で判断しましょう。
相続放棄は遺産を処分するとできない
亡くなった方の貯金を使ったり、不動産の名義を変更したりする行為を行うと放棄をすることができません。なぜならば相続することを承認したことになってしまうからです。
そのため相続放棄を視野に入れて考えている方は、亡くなった方の遺産の処分には十分に注意しましょう。
相続放棄は相続の開始前はすることができない
親や親族が亡くなる前に「明らかに借金の方が多いので相続放棄しておこう」と考える方もいるかもしれません。しかし、相続放棄は親や親族が亡くなった後にする行為となります。
つまり、相続開始する前での放棄の方法はありません。家庭裁判所でも受け付けていないのでその点においては注意しておきましょう。
相続放棄しなかったらどうなるの?
相続放棄は相続があったことを知った日から3ヶ月以内にしなければなりません。しかし3ヶ月以内に放棄しなかったらどうなるのでしょうか?3ヶ月以内に相続放棄や限定承認といった方法をとらなければ単純承認したことになります。
単純承認とは亡くなった方の遺産を全て受け継ぐことです。放棄しなかった場合は、亡くなった方の遺産を全て受け継ぐとみなされてしまいます。
相続人全員が相続放棄するとどうなる?
相続人全員が放棄した場合は残された財産はどうなるのでしょうか?
相続人全員が相続放棄をした場合は、残された財産は特別縁故者が相続することとなります。特別縁故者とは、亡くなった方と生活を主にしていた者(配偶者以外)や亡くなった方の療養看護をしていた者です。
もし、特別縁故者もいなかった場合は、遺産がプラスになった場合のみ国のものになります。借金などの遺産が多くマイナスになる場合は自動的に消滅します。
つまり、債務者がいなくなるので借金もなくなってしまうということです。
相続放棄すべきかどうか臨機応変に
相続放棄すべきかどうかは、その時の遺産の状況によって臨機応変に対応しましょう。
明らかに借金などのマイナスの財産が多い場合は放棄すべきです。しかし、プラスの財産が多いのか、マイナスの財産が多いのかわからないといった場合は、限定承認という方法もあります。
また借金以外でも、相続問題に関わりたくない場合、特定の人に遺産を相続させたい場合などに放棄の方法をとるということもあります。
相続放棄をする上で一番気をつけてばなければならないことは、相続開始を知った日から3ヶ月以内にしなければならないということです。3ヶ月を過ぎると遺産を相続することを承認したとみなされてしまうので、放棄を考えている方は早めに準備しましょう。
また、専門家に相談することにより相続問題を未然に防ぐこともできるので、どうすればよいのか自分では判断つかない方は積極的に相談してみましょう。
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