相続税の申告漏れを防ぐには?専門家に依頼したほうがいいの?

自身で相続税を申告する場合などは、相続税の申告漏れが起こってしまうこともあります。しかし、専門家に依頼すると費用が掛かるということで、躊躇している方も多いのではないでしょうか?

今回は、自身で申告する場合に相続税の申告漏れを防ぐ方法と、専門家に依頼するメリットを解説します。

相続税の申告漏れを防ぐにはどうする?

相続税の申告は正確に行わなければ、申告漏れが発覚した際に罰則が課される場合があります。しかし、気をつけていても、相続税の申告漏れが起きてしまう場合があります。

そのような事を防ぐためには、どうすれば良いのでしょうか?申告漏れを防ぐためには以下のようなことをすることが重要です。

  • 贈与などのやり取りは形として残す
  • エンディングノートを活用する
  • 専門家に任せる

ここでは、上記の項目について詳しく説明していきます。

申告漏れを防ぐため贈与などのやり取りは形として残す

生前贈与などで自分の財産を贈与した場合は、それを証明することができるように形として残しておきましょう。契約書などの書面などに残しておくことが一般的です。

財産に動きがあった場合、形として残してなければ贈与と扱われていないことがあります。 贈与として扱われていなければ、後に相続財産として課税の対象となる場合があります。

当事者間では贈与したつもりでも、証明することのできない書面がないと贈与とみなされなないこともあり、相続税の申告の際に申告漏れとなってしまうケースがあります。

そのため、自分の財産を他の人に贈与した場合は、必ず証明することのできるよう書面や通帳などを保管しておきましょう。

エンディングノートを活用し相続財産を明確にする

亡くなった方の財産にどのようなものがあるのか、相続人が知らない場合も多いです。しっかりと財産を把握せずに相続税の申告をすると、申告漏れを起こしてしまうケースがあります。

そのようなことにならないためにも、生前にエンディングノートを作成しておきましょう。エンディングノートを作成することにより、自身の財産が明確になります。

特に不動産や有価証券を持っている方などは、気をつけておかなければなりません。不動産や有価証券を持っているということを、残された相続人が知らない場合があるからです。

相続税の申告後に不動産や有価証券を持っていたということが発覚すると、相続税の修正申告をしなければならなくなり、相続税の申告漏れとなって罰則を受けることもあります。

また、死亡した方が財産を隠していた場合も申告漏れが起きやすいです。不動産などを隠すことは難しいですが、現金や預貯金、有価証券などは比較的隠しやすい財産となっています。

その他にも、高価な美術品や骨董品なども、相続財産に含まれるケースがあるので気をつけておきましょう。美術品や骨董品などは相続人からするとその価値がよくわからないものが多いですが、実は高額だったということは多々あります。

そのような美術品や骨董品を相続財産として申告せずにいると、申告漏れになる場合もあります。そのため、美術品や骨董品にも注意しておかなければなりません。

相続税の申告漏れにはたくさんのパターンが存在します。申告漏れを起こさないためにも生前に不動産や有価証券、預貯金や高額な美術品や骨董品などを、エンディングノートに一覧としてわかりやすく記載しておくことをお勧めします。

また、相続人になる方は、生前にどのような財産があるのか聞いておいた方がよいでしょう。

相続税の申告漏れを防ぐためには専門家に任せる

相続税の申告は自身でもできますが、自身すると申告漏れが起きてしまう可能性が高いです。そのため、弁護士や税理士などの専門家にまかせることをお勧めします。

相続税の計算や相続財産の範囲などは、一般の方ではかなりわかりにくく専門的な知識が必要です。相続に関わる事は人生の中で何回もあるわけではありません。1回の相続に時間と労力を使うのであれば、専門家に任せた方が効率は良いです。

また、相続に関しては親族間のことなので、非常にトラブルが多くなる場合があります。専門家にまかせることにより、事前に相続トラブルを予測し適切なアドバイスをもらうことが可能です。

そういった意味でも専門家に任せるメリットは大きいです。しかし、相続に関してどのような士業の方に相談すればいいかわからない方も多いです。

一般的に遺産分割や相続トラブルに関しては弁護士、相続税などの税金面に関しては税理士、不動産の登記などの事項に関しては司法書士の領域となります。また、土地の評価などは不動産鑑定士、遺言書の作成などは行政書士や司法書士の領域です。

専門家に依頼すれば相続税の申告漏れを防ぐことが可能

最近では、一つの事務所に相談に行くと、その事務所を窓口にワンストップで手続を行うことも可能なところも増えています。

「士業の方に頼むと費用がかかるから嫌だな」困ってる方も多いですが、分かりにくい相続税の計算を自分で調べる時間や労力を割くよりも、士業の方にお願いした方がミスもなく正確な申告ができます。

また、修正申告や申告漏れとなって罰則を受けることもないので、相続税の申告は専門家に依頼することをお勧めします。